2026-07-22。調べたことは大量にあるが、判断に要るのはこれだけ。
なくしても、戻せる。
誰にも、見られない。
勝手に、戻されない。
いまのウォレットは鍵の形から住所が決まるので、鍵を変えると別の家になってしまう。だから一生変えられないし、なくしたら終わる。
そこを、ふつうの家にする。鍵をなくしたら、錠前だけ交換する。住所も中身もそのまま。
公的IDで本人確認して復旧できるウォレットが、実際に出た。よくできている。
ただし「国に全部見られるのでは」と思って離れた人がいる。その人たちは、いま行き先がない。奪う必要がなく、拾えばいい。
Cardano には既に、「Google でログイン」のボタンで開くウォレットが動いている(zkFold)。24語は出てこない。Google が「本人です」と発行した署名を、チェーンが自分で確かめている。手数料 約1.23 ADA という実測値まで出ている。
zkFold Google が本人確認 → 署名 → チェーンが検証 → 解錠
我々の案 役所が本人確認 → 署名 → チェーンが検証 → 鍵を交換
↑ 差し替えるのは、ここだけ
しかも Google の署名も公的個人認証の署名も、どちらも同じ方式(RSA 2048)だった。同じ機械が使える。
足りないのは技術ではなく、標準化と資金だった。
zkFold は技術として面白い。ただし復旧の根拠が Google アカウント一点になっている。壊れ方が二つある。
ひとつ、自分が締め出される場合。BAN、乗っ取り、死亡。Google の判断に不服を申し立てても、通るかは向こう次第で、争う手段が実質ない。
ふたつ、Google の都合で壊れる場合。Google は署名鍵を定期的に入れ替える。同種の実装は README で「鍵の入れ替えに追随する仕組みが無く、手動移行が要る」と明記している。利用者が何もしなくても、向こうの都合で経路が切れうる。
Tangem のカード 後ろに何もない → 全部失えば終わり zkFold の Google 後ろにアカウントDB → 追い出されたら終わり 公的個人認証 後ろに人間の登録 → 追い出されようがない
Google が持っているのはアカウントの台帳。消せるし、止められる。
役所が持っているのは人間の登録。カードは失くせても、あなたが日本に住んでいる事実は消せない。だから何度でも再発行できる。
「役所のほうが便利」ではなく、追い出せない根拠に紐づけられるのはこの方式だけ、という構造の話になる。
なお鍵の入れ替え自体は公的個人認証でも起きる(認証局は4年ごとに更新)。ただし証明書は10年有効で、世代が公開されている。運用の重さが桁違いに違う。
そして zkFold 自体もまだ testnet で、本番で使われた実績はない。
調べていて驚いたのだが、判断材料になった出来事がほぼ 6 日間に集中している。
「なぜ今か」の答えは、これがいちばん短い。部品が揃ったのが今週で、競合が出たのも今週だった。
guardian が操作鍵を差し替えられる設計は、法的に「暗号資産の管理」にあたる可能性がある。そうなると登録が要る。
もう一つ。guardian に事業者を置くなら、互いに独立していないといけない。子会社に持たせる形は使えない。
個人はウォレットを乗り換えない。困っていないから。
動くのは配る側が決めたとき。地域通貨や給付金で、「住民の残高が事業者に見えていいのか」が必ず問われる。そこが入り口になる。
04 の法律論点は、国に直接聞ける制度がある。近い前例は26日で回答が出ていた。照会書のたたき台は用意してある。
作る前に、ここを確定させる。照会したあとに設計を変えると、回答の効力が及ばないので、順番はこちらが先になる。
ただし手を動かす側は、待たなくていい。最初の一歩(preprod で鍵を交換できる validator を書く)には、カードも役所も事業者も関係しない。設計メモに、そのまま書き起こせる粒度で置いた。